コラム

コラムNO.2

2016.06.06

カウンセラーの選び方

世の中には「カウンセラー」と名乗っている人は数え切れないほどいます。
(今では化粧品の販売員も、カツラの営業員もみんなカウンセラーを名乗っています)

話がややこしくなるので、今回は化粧品の販売員やカツラの営業員ではなく、心理カウンセラー等の専門職に該当する人だけをカウンセラーと呼ぶことにします。

それでもまだカウンセラーは無数にいます。

この無数のカウンセラーの中には、とびきり腕の立つカウンセラーもいれば、素人同然か下手をしたら素人以下の酷いカウンセラーもいます。

ではこの中からどうやって自分に合うカウンセラーを選んだらいいのでしょうか。


実はカウンセリングのように相手とのコミュニケーションを通じて、相手の状況に変化をもたらすサービスには大きく二種類の系統があります。

医療系カウンセラー

一つ目の系統は、マイナスの状態をゼロの状態にまで引き上げるもの。
これはひどく落ち込んでしまったり、うつ病になってしまった人たちに向けて、その精神的な健康を回復するための手助けをするもので、主に医療系のカウンセリングが該当します。

医療系のカウンセリングのメリットは、ある程度カウンセラーのスキルが一定であることです。

これは医療領域に携わるまでに一定の教育を経ていることと、医療の枠組みの中で医師の監督を受けていることなどが主な理由です。医療系のカウンセラーには、病気の人にはどのように接すればいいか等、細かな訓練を受ける機会も多くあります。

デメリットとしては、医療系のカウンセラーはほとんど就業経験や人生経験がないためにビジネス的・社会的なアドバイスや援助が難しいことです。

医療系カウンセラーは大学もしくは大学院卒業後そのままカウンセラーとして就職することがとても多いです。学校という閉鎖的なコミュニティから、病院等の別の閉鎖的なコミュニティへ移ることで、いわゆる一般的な企業での勤務を経験することがありません。

そのため、会社でのストレスフルな状況というのを実感としてイメージすることがなかなか難しく、ときにはかなり現実から外れたアドバイスをしてしまうこともあります。特に復職支援の現場などでは受け入れ側の職場と休職者とで利害が対立することもあり、このような問題が顕著に現れてしまうようです。

医療系カウンセリングの相場は、保険適用なしの実費で1回8000~12000円前後といったところです。

コーチング系カウンセラー

二つ目の系統は、ゼロの状態をプラスの状態に引き上げるもの。
これは健康な人に向けて、「転職したい」「もっと活躍したい」といった前向きな悩みを解決するための手助けをするもので、主にキャリアカウンセリングやコーチング(以下、コーチング系カウンセリング)といったものが該当します。

コーチング系カウンセリングのメリットは、アドバイスや援助が現実的なことが多く、具体的な目標達成等に有効なことです。コーチング系カウンセラーはビジネス等の経験も豊富な方が多く、自分と似たキャリアの人に当たればより実践的なアドバイスを受けることも可能でしょう。

デメリットとしては、医療系の知識を有しているカウンセラーがほとんどいないこと、カウンセラーとしてのスキルレベルも玉石混交であること、です。

コーチング系カウンセラーは健康な人の心理状態や援助方法には長けているのですが、病的な人への対応や精神医学の知識といったものを身に着けていない人がほとんどです。その結果、本当は医療的な治療が必要なケースなのに、間違った対応をして病状をさらに悪化させてしまうリスクがあります。

また、自らの仕事を“ビジネス”と捉えているカウンセラーが多いため、「いかに収入を上げるか」「いかにビジネスを回すか」という方向に力が向かってしまうこともあります。そのため、カウンセラーとしてのスキルレベルにもかなりの差があります。本当にひどいカウンセラーになると、初めから詐欺的な場合すらあります。

コーチング系カウンセリングの相場は、本当にピンキリで安いと1回3000~8000円前後ですが、エグゼクティブ(経営者層)コーチングなどでは1回20~30万円といったところもあります。

この二つの系統はほとんど交わることがないため、両方のスキルを持ったカウンセラーは非常に希少な存在です。(そのため私も前職ではカウンセラーの採用には本当に苦労しました…。)

ただ、どちらにも共通して言えるのはあまりにも1回あたりの料金が安すぎるところ(3000円以下)はお勧めできません。本当にスキルがある人であれば、あまりに安すぎる料金ですと予約がパンパンになってしまい、カウンセリングが成り立たなくなってしまいます。

また、ご自身で精神状態・健康状態に少しでも不安があるのであれば、まずは医療系のカウンセラーおよび医療系カウンセリングのスキルを持っているカウンセラーに相談すべきでしょう。

あとは申し込む前に、その人のホームページなどをよく見て、信用できそうかどうか、スキルや実績は問題なさそうかどうか、自分の心にフィットすることが書かれているかどうか、などをチェックしてみることをお勧めします。

本当に信頼できるカウンセラーが見つかるまでは、一人のカウンセラーに固執せず、いろいろなカウンセラーを試してみるのもいいかもしれません。

いろいろ試してみても、どうしても自分に合うカウンセラーが見つからないときには、ぜひ一度カウンセリング・カフェのカウンセリングを受けに来てください。

いつでもお待ちしています。

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